未来に備える思考と、未来に消耗する思考

先のことを考える力は必要です。

少し先を見て動ける人のほうが、
準備もできるし、判断も早くなります。

ここまでは自然なことだと思います。

ただ、その先に進みすぎると、
別のことが起きてきます。

まだ何も起きていない段階で、
頭の中だけで何度もシミュレーションを繰り返してしまう。

この状態になると、

考えている内容は未来のことでも、
身体の中ではすでに反応が起きています。

実際には起きていないことに対して、
緊張したり、構えたり、消耗していく。

一見すると、慎重さや思慮深さのようにも見えますが、
実際には少し質が違います。

本来の予測は、

起こりそうなことを見て、
大まかな対応の方向だけ決めて、
一度手放せるものです。

それに対して、

同じ場面を何度も頭の中で再生したり、
その先、そのまた先と展開し続けてしまうと、

まだ起きていない不快感を先に引き受けている状態に近くなります。

人は出来事で疲れることもありますが、

起きるかどうかも分からないことに対して
先に反応し続けていると、
実際の出来事よりも深く消耗していきます。

このときの背景には、

失敗そのものというより、
うまくいかなかったときの自分をどう扱うか、
その余白の少なさが関係していることが多いです。

だからこそ、

先のことを考えるときは、
どこまで考えるかよりも、

どこで切り上げるか

のほうが重要になります。

ひとつの目安としては、

「そのとき自分はどう動くか」

ここまで見えたら、一度止めることです。

それ以上先の、
相手の反応や空気、評価まで考え始めたら、
それはもう今やることではありません。

一度思考を止めて、

呼吸に意識を戻す。
足の感覚を感じる。
今やるべきことに戻る。

こうやって身体を使って「今」に戻していきます。

身体は常に「今」でしか働いていません。

どれだけ先のことを考えていても、
実際に呼吸しているのも、支えているのも、感じているのも、すべて今です。

だからこそ、思考が先に行きすぎたときは、
身体に戻ることでしかバランスは取り戻せません。

未来に備えることと、
未来に引っ張られて消耗することは、
似ているようでまったく別のものです。

先のことはある程度見ておく。
でも全部は先にやらない。

残りは、そのときの自分に任せる。

そのくらいの余白があるほうが、
結果的にうまくいくことが多いように思います。

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